THE FIRST SLAMDUNKについての殴り書き(ネタバレ)(追記あり)

まず間違いなくあれはSLAMDUNKだった。
いやね、「認めたくない劇場版」ってあるじゃない。でもそうではなかった。あれは間違いなくSLAMDUNKだ。


で、良かったよね?アレ。最高だったよね?文句無しでしょ。素晴らしかった。絶賛だよ。何度も何度も何度も何度も読んだあの漫画が、そのまま映像として動き出したんだもの。本当に感動したよ。
以下感想の殴り書き。


<映像>
予告映像を見る限りではフル3DCG。
非常に心配していた。しかしどうだ。
アレは漫画がそのまま動いていた。
そりゃたしかにCG的な動きが気にならないといえば嘘になるが、集中してしまえばそんなことはどうでもよかった。
逆に言えばCGだから作画が崩れるような心配は無いし、そもそも井上雄彦の画で作画崩壊なんて許されないだろう。アレはアレで解の一つだと思う。
くどいようだがアレは本当に漫画がそのまま動いていた。

 

<声優>
かなり懸念とされていた声優。
結論から言えばなんの問題も無かった。
とはいえ私はこれまでのアニメをほとんど見ていない漫画勢、だからこそ自然に入れたというのはあるとも思う。
でもさ、何年経ってると思う?声優交代くらい当たり前じゃない?文句を言うなら見てから言えと。

というか今回の作品はアニメ勢よりも確実に漫画勢をターゲットにしたものだったよね。理由はわざわざ語るまでもないと思う。

 

<構成>
FIRSTがリョータにフォーカスしているとなると、FIFTHまでやるのが自然と見る。
学年にフォーカスすれば次は3年生でゴリと三井、そして桜木流川で計3回もまああり得るか。

ただFIRSTだけでは「山王戦」を全く描き切れていないことも含めると、「山王戦」を各キャラクターの角度から掘り下げて5回やる構成なのだろうか。
FIFTHは間違いなく桜木の回だろうが、そこでは山王戦もやりつつ山王戦後の彼らの未来にもおそらく触れてくれるだろう。
……触れてくれるよね?

 

高校バスケ
私は高校生の頃バスケ部の副キャプテン、ウィンターカップのオフィシャルをする等「高校バスケ」に浸かっていた人間だと思っている。
その上であれは間違いなく「高校バスケ」がかなりリアルに描かれていた。
前半は特に顕著で派手に決めた湘北と淡々とやり返す山王。ゾーンプレスで一気に差を広げる側、広げられる側の苦しさ。

深津がボールを持っている時にしていた目線だけのフェイクとか、とにかく芸が細かい。
コートにバチンと手を合わせてからディフェンスの構えを取るところ、アヤコのスコアシート、スクリーンからオープンになった選手がまた中に入れたりと「よくある」戦術を用いるところ、挙げれば枚挙に暇がない。
「相手選手とそんな喋らんわ」とか「桜木そんなん即退場だわ」みたいな漫画的表現はたしかにあるが、それを含めても「高校バスケ」のアニメ映像として完成されていた。


<家庭>
安易に家庭環境を出してきて、それも「死」を使って涙を奪いにくるスタイルは好きではない。
しかし井上雄彦が監督となれば話は別、これは「正史」。文句は言えねえ。


<湘北>
今作では「これでもか!」というくらいリョータのバックボーンを見せてきた。
でもリョータに湘北を選ばせたキッカケが描かれていなかったのが残念。

 

とにかく雑多に殴り書きしたが本当に良かったんですよ。
俺たちのSLAMDUNKが、動き出した。そんな作品だった。

 

(2022/12/28追記)
二度目を見てきたのでまた思ったことを書き殴る。

初回はただもう「最高」という感情しか無かったので褒めちぎったが、二度目はまた少し違う感想を。
まず回想シーンが多いのでバスケの(山王戦の)テンポが悪いなと。
でもアレだけの内容やるんなら回想多いのも仕方ない・・難しいね。

で、やっぱりバスケの描写が素晴らしい。
ダンク多すぎ!とかブロック多すぎ!といったフィクション的要素はたしかに多いけど、そんなことどうでも良いくらいにあれは「バスケの映像」なんですよ。
目線の動き、足の運び、息遣い、どれ一つ取ってもアレは「バスケの映像」だった。
「バスケを取り入れたヒューマンドラマ」になっていたら私はこんなに評価していなかったと思う。
なんならキャラの掘り下げなしに2時間ただひたすらバスケシーンのみを流してくれても見れた。それほどまでにバスケをしていたよ。
この記事を書いている2022年12月28日、明日はウインターカップの決勝です。
ほんのちょっとでもバスケに興味があればぜひ見てほしい・・・


アニメが全国行く直前で終わっている中で今回の山王戦。
つまり豊玉戦は漫画でしか確認できない。
劇中でも漫画を読んでいなければわからない会話等もあり、この映画は「アニメ勢」は相手にしていないなと。「漫画勢」へのご褒美なんだなと。
これは井上先生へのインタビュー等読んでも伝わってくる。(当然アニメを軽んずるような発言はしていないけれど、「読者」を大切にする言葉は非常に多かった。)
私は漫画勢なので、良い面のみを享受できたので良かった。
逆にアニメ勢はモヤっとするところが多かったのではないかとも思う。

それと追記前の記事で

>>ただFIRSTだけでは「山王戦」を全く描き切れていないことも含めると、「山王戦」を各キャラクターの角度から掘り下げて5回やる構成なのだろうか。

と書いたがこれは訂正したい。桂剥き魚住を出さなかったり、「今度は嘘じゃないっす」を出さなかったり、中学生三井が短髪で爽やかすぎたり、随所で原作と異なる描き方をしていることを考えたら山王戦はアレで終わりなのかもしれない。
いやまあなんでもいいけどSECONDやってくださいお願いしますなんでもしますから!!